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貧乳ヒメと書かない作家

第28章 自分だって

「すみません、私が女の子だったばっかりに」

松田が帰ってくるなり、秋奈が開口一番に謝った。

「そこは謝らんでいいから」


秋奈はミルクチョコレート色のセミロングの髪をバサッとさせて頭を下げた。

『アキラ』だった時の面影はほとんどない。
普通の(腐)女子だ。


「自分否定はしないって前に言ったじゃん」

松田はうーんと伸びをして「もう寝よっかね」

「えぇーそれだけですか?!」

「ぇ?」

「久しぶりに『秋奈』にあえたのに?!もっと動揺して下さいよ!

本当なら





久しくあった私のことを見て、先輩が何かしらトキメキを感じて恥じらい、ちらちらと私の方を気にしながらもまともにみられないようなとても気恥ずかしい感じになって、そのはずかしさから逃げるといいますか、景気づけの為に飲み直そうかみたいになって、ほいでなんやかんやで昔話に花がさいて盛り上がりいい加減に出来上がった頃に、『なんかいい雰囲気になったねっ』て先輩が言うから、私が距離を縮めて『ほやから(だから)、それはつまり私を誘っているん?』って答えて、ああもうこれはアレしかない!ってなるところですよ(早口)」


「そうね…」

松田は小さく微笑んだ。
大分酔ってるみたい。
変わって無。






「もう1時過ぎだよ…。今日は疲れたし、眠ぃょ」



松田は当然と言うように掛け布団だけを持って、窓際にあるソファーにホイッと投げた。



「じゃそれは今度ね」




松田は座った姿勢で布団にくるまった。



そういえば前に同じような…こと…が……。



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