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貧乳ヒメと書かない作家

第30章 初版本にみる家族の絆

それらは初めは薄暗くてよく見えなかった。

窓からの光に反射して埃が舞うのが見えた。

小さな部屋の割にやたらと仕切りが多い…?


「これって…」


仕切りに見えたのは本棚だった。


「俺が今まで収集してきた推理小説からエッセイ、青春ものに官の―」


千春の目はキラキラと輝いていた。

「―う小説エトセトラ…」


聞いてねぇなコレ。


「見ていい?触っていい?読んでいい!?!」


「3年放置してたから埃っぽいけど、まぁいいよ」

桐生はすっかり興奮した千春の背中を見送った。

しかし…
俺の部屋は出入り自由でいいって姉貴らにいってあるのに、この開かずの間のような手付かず感はなんなんだ!

ぁ…机の上、飲みかけのオレンジジュースのペットボトルがまだあるぞ。

あれ?
この色は…野菜ジュースだったか?



「すごーい!すごいよこれ!ねぇねぇ!」

部屋の奥から声がした。


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