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貧乳ヒメと書かない作家

第31章 未来へ

「なんだか申し訳ないですね」

白いタキシード姿の新郎、松田が言葉通り申し訳なさそうにいった。

結婚式がひと段落し、千春と桐生はロビーで落ち合っていた。

「締め切りいそがせたんじゃないですか?」

桐生と如月との共同制作の真っ只中だったのだ。

「俺だっていつも遅いわけじゃないぞ」桐生は反論したが、松田には当然通用しない。

「えぇ、でも今回は割と早めに書き上げてくれましたよ。如月先生の方で漫画にしなくちゃならないので、渡来野さんが頻繁にきてくれましたし」

と千春。

「千春さんそれわざと呼んだでしょ?」

「締め切りを守らせてこそ、編集者ですから!」

「え!?まじかよ。

千春、こえー…」

真実を始めて聞かされた桐生が身震いする真似をした。



松田は、千春さん、すっかり桐生先生の扱い慣れちゃってるなぁとただ感心させられたのだった。




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