貧乳ヒメと書かない作家
第31章 未来へ
桐生は千春の小さな背中を見下ろした。
いつもと変わらない千春がそこにいたが、実際千春から直接、桐生自身をどういう受け入れているのかわからなかった。
特にここ最近のことだが、何か心境の変化でもあったのだろうか。
やっぱりこんな自分では不安になるだろうか。
桐生は走り去る花嫁、秋奈を見て、内心苛立ちを感じてしまっていた。本当なら…。
「桐生先生?」
千春だった。「どうしたの?怖い顔して」
「いや、なんでも…」
千春は不思議そうに桐生の顔を見上げた。
「ちょっと化粧直したいんだけど、ポーチ、式場のホテルに置いて来ちゃったの。
一回戻っていい?」
「ああ、そっか。わかった」