
貧乳ヒメと書かない作家
第7章 言えないキモチ
千春は原稿をやっと文章として目を通した。
あ、でもあたし担当者じゃないんだっけ?
「桐生先生?」
「なんだー」
「あたしがみても担当と違うから…渡しときますねっ」
「…ふーん。まぁ千春じゃ俺の文章に難癖つけるのは百年早いもんな」
と笑った。
「否定は出来ないですねー…」
だってやっぱりすごい先生だもん。あたしじゃ務まるはずない。
あたしと先生の間にはそんな壁もあるんだ…。
それから桐生は少しそっぽを向いて
「でも、俺が行き詰まった時、いてくれると…すげぇ助かるかも…」
「え…?」
桐生は千春にジリジリと詰め寄る。
千春は反射的に仰け反ってしまう。
そして桐生は一言
「新人だし、研修ってことで俺んとこいてよ!」
というと、千春にキスをしたのだった。
こうして千春は研修生として桐生彰浩のそばにいることとなった。
それがあんなことになるとは、千春は思ってもいなかった…。
