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貧乳ヒメと書かない作家

第10章 知りたい女

―如月先生の事務所

執事風の黒いスーツで決めた、男性が微笑みながら出迎えてくれた。

「とらちゃんー?どうしたの?」

「……。如月先生、桐生先生の担当者の方達がみえてますよ」

作業部屋らしい部屋に通されると、社長室にありそうなクルクル回る椅子ごしに声がした。

「本当?!」


椅子がクルッとまわり、声の主がこちらを向いた。


千春はハッと息をのんだ。

くっきりとした二重瞼。まつげは長く上を向いている。

漫画を描いていた途中だったようで、Tシャツをきて着ていたが胸の部分ははちきれんばかりに膨らんでいた。
それとは対照的に華奢な肢体は白く綺麗だった。長い髪はアップにして束ねてある。


すごく美人だ…。


「いらっしゃい!私が如月よ。あ、松田さん久しぶりです!そちらは?」
とても明るい笑顔で迎えてくれた。


「あた…私、風戸 千春です、今研修中で桐生先生のところでお世話になってます」

「ふぅん…よろしく!千春ちゃんね!私のことはけいって呼んでね。
あ、こっちの黒いのは、とらちゃん!私の担当者」


とらちゃん?が頭を下げた。
「渡来野(とらの)です」

如月先生って


すごい明るさ弾けてますって感じ。



千春は初めて会う漫画家に緊張感を持って臨んだ千春はひどく拍子抜けしてしまっていた。





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