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貧乳ヒメと書かない作家

第11章 追求する本能

「それってどんな風に?!」
如月は少し取り乱していた。

「えっ」


「あ、すみません…私ったら。

松田さん、同じように私にしてくれないですか?」

「え?でもーー」

それはさすがに照れくさい、といいかけたが、如月の真っ直ぐな視線がそれを拒むようにしっとりと見つめていた。

「いえ、じゃあ、あの僕が桐生先生役で。ちょっと失礼します」

松田は如月の後ろに座り後ろから包み込むようにして座った。
もちろん実際よりある程度距離は保ったが、それでも如月の女性らしい香りが鼻をつついた。

松田はなるべくそれを意識しないようにしながら続けた。

「片手には原稿を持って。もう片方の手は原稿で見えなくて風戸さんはその原稿を読んでま…」


松田が説明していると、如月が寄りかかるようにして距離を縮めた。


「松田さん…?」

如月が覗きこむようにこちらを向いた。


そして目が合うのとほぼ同時に

唇に柔らかい感触を感じた。

キスされているのだ。


「!!?」

如月の手が松田の首に回った。

松田は目をまん丸に開けて驚いた。
思わず口を開きかけると口内に生暖かい物が入ってきた。

如月の舌が怪しく絡み付いてきた。





如月のかすかな息遣いと


クチュ クチュ

と舌を絡める音がやけに大きく聞こえた。






如月はしばらくしてからようやく離れた。

「ごめんなさい、急にこんな。
松田さん、わざわざ来てくれたり優しく気遣ってくれたりして…
私とっても嬉しかったの…松田さん?」





松田は石化していた。



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