テキストサイズ

貧乳ヒメと書かない作家

第2章 ライタる

千春は桐生の言うようにペンを進める。


ー第29章ー

とうとう残る道はない。あとは男女は最期をまつのみだ。

リエ:もうここまでなのね…
真也:最期にキミと結ばれたかった、愛してる…
ふたりは堰を切ったかのように激しく抱き合う。

真也:リエ…リエ

真也の手が唇に優しく触れる。リエははじめてのキスのように痺れていくのを感じる。やがて真也の手がリエの胸を揉む。

リエ:

「いやーん。あはーん」


「…ちょっとちょっと!
ちょっと!」
千春は桐生のことばを遮った。

「あんだよ」

「そんな、『いやーん』なんて言わないんじゃないの?」

「悪いか」

桐生はなぜか赤くなる。

「先生の小説はもっと官能的な表現が多かったと思うけど…」

さっきまでハキハキしていた桐生だったがうなだれていた。

「俺がもっと若いころは精力旺盛で、SEX経験なくても、想像力でなんとかなったけど今はもう32だし、なんだか、落ちついちゃってからはさ、なんかうまくかけなくて…」

ふむふむ…。

要するに桐生先生はこんなに官能的で現実味のある小説を想像だけでかいていた。…経験なしに。32歳にもなって。



それは意外だ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ