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貧乳ヒメと書かない作家

第14章 比較と乖離

昼休み。

千春が社員食堂に行くと、松田が同僚と一緒にご飯を食べているのが見えた。

「お前も頑張るなぁ、桐生先生の担当」


「自分でもそう思います。でもあんなでもいい面もあるんですよ」

松田はだいぶ憔悴しているように見えた。

「例えば?」

「一年前かな。ずぶ濡れの捨てネコ連れて帰ってきたり」

「へぇ。で、桐生先生がそのネコ飼ったんだな?」

「ううん、先生はホテル住まいだから僕が…アパートだったけど、代わりに飼ったんだ。僕が猫嫌いなの知ってるはずだけど…」

「うへぇ…」

同僚が引いていた。

「あとは僕が体調崩した時に差し入れしてくれた」

「それで?」

「うん…桐生先生ったらそのままソファで寝ちゃって。次の日、少し熱下がったから送っていったよ」

「あぁ、そんなのあったな。でも確か…」

「うん。ぶり返して余計悪化したね」

同僚は松田の肩を優しく叩いた。

「お前やっぱすげえや。そうだ、今日は飲みにいこうな」

松田は嬉しそうに頷いた。「でもキャバクラは行きませんからね」

「す、鋭いなお前…」




そのやり取りを

千春は
複雑な心境で聞いていた。





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