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素直になろうよ

第13章 すぐそこにあったもの

何が起こったのかわからなかった。

加瀬宮が結婚するとか突然言い出して。
違うな、見合いだったか。

それで、あんまりショックだったから。

「見合いなんてするな」


って言ったら、腕を取られて弾き飛ばされた。




鈍い衝突音がして、悲鳴が聞こえて。
皆逃げてて。



それから加瀬宮を探した。

俺は地面に這いつくばるように転がっていたから、上の方に視線を向けて必死に彼の姿を探した。



でもいないんだ。

ついさっきまで、俺の目の前にいたのに。

加瀬宮が見つからないんだ。

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