
素直になろうよ
第13章 すぐそこにあったもの
スクーターが横で倒れていて、タイヤがくるくる回っていた。
今まで俺が立っていた場所だった。
「加瀬宮」
スクーターの向こうに。
「おい」
彼が横たわっているのが見えた。
「かせ・・」
フラフラと立ち上がり、彼のそばに膝をついた。
横向きに倒れこんでいる加瀬宮は、何も喋らない。
「おい、加瀬宮」
呼びかけに答えない。
「加瀬宮!」
肩に手をかけて何度も呼びかけるが、ピクリとも動かない。
なに?
なんで?
どうなってんの?
動かない。
加瀬宮が動かない。
目を開けない。
ちょっと待って。
待てって!
待ってくれって!
現状を把握するのは、無理だった。
思考が追いつかない。
ただ、大声で彼の名前を呼び、心の中で「待って、待って」と叫び続けるだけだった。
今まで俺が立っていた場所だった。
「加瀬宮」
スクーターの向こうに。
「おい」
彼が横たわっているのが見えた。
「かせ・・」
フラフラと立ち上がり、彼のそばに膝をついた。
横向きに倒れこんでいる加瀬宮は、何も喋らない。
「おい、加瀬宮」
呼びかけに答えない。
「加瀬宮!」
肩に手をかけて何度も呼びかけるが、ピクリとも動かない。
なに?
なんで?
どうなってんの?
動かない。
加瀬宮が動かない。
目を開けない。
ちょっと待って。
待てって!
待ってくれって!
現状を把握するのは、無理だった。
思考が追いつかない。
ただ、大声で彼の名前を呼び、心の中で「待って、待って」と叫び続けるだけだった。
