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素直になろうよ

第2章 不可抗力

「ちょ、あんた、なに、して・・」

狼狽とはまさにこの事。



「お返し?」


いたずらっ子のような、にやりとした笑みを浮かべてから、内海は腹を抱えて笑い出した。


「お前、顏洗って来いよ。ひでぇ顔」

言われなくても行くわ!
と、内心叫んで給湯室にダッシュした。



心臓が痛い。

入社してから3年。



接触なんてほとんどなかったのに、今日、俺は課長とおでこを触りっこしてしまった。


そして・・・




やっぱり、俺の主砲は臨戦体制に入っていた。


給湯室で執拗に顔を洗いながら、下の息子を持て余す27歳の春。



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