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素直になろうよ

第6章 絡まる気持ち

背を這い上がってくるこの感情は、怒りなのか悲しみなのか。


「地雷踏んだか?」


上目遣いで、少し首をかしげて、それでも心配そうに俺をみるその目を。

いっそのこと抉り取ってやりたい。



「地雷って、なんです?振られたんだろうって・・ことですか?」

「ああ、いや。立ち入ったことを聞いて悪かったな」

「告白なんてしませんよ。そんな分かり切った負け試合」

「そうか」


じっとりと重くのしかかる沈黙が息苦しい。


せっかく二人だけのこの空間で、こんなに黒い感情が渦巻いてしまったことに、自分で絶望した。

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