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素直になろうよ

第6章 絡まる気持ち

「なあ、加瀬宮。そんなんなら、俺が付き合ってやろうか?」


ようやく響いた声が、そんな内容だった。


ちょっとからかったような、軽い口調。


腹の底がすうっと冷めていく。


内海はさっきから一度もこっちを見ようとしていなかった。






何を



何を言ってるんだ。



この人は、どこまでもお人好しで、どこまでも優しくて、そして果てしなく残酷だ。

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