テキストサイズ

素直になろうよ

第6章 絡まる気持ち

「課長が、俺、と?」


誰にでも笑顔を振りまき、誰にでも優しくて、誰にでも平等に気を遣う。


「あー。ボランティアってこと、で」


笑ったような声。
きっと間違いなく、笑ってる。


「ボランティア・・?」


同情されてるのか。


俺が好きな人に告白もできずに悶々としながら、諦めようとしているから?


可哀想だと?


握り込んだ拳は温度を無くすほど白く固い塊になり、噛み締めた歯は耳障りな音が聞こえそうなほど軋んだ。


「課長、は・・俺の事、好きなんですか?」


自分でも声が震えているのが分かる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ