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素直になろうよ

第7章 交わる気持ち

矢継ぎ早に繰り出される質問に、ほとほと困り果てた時。


「うっ!」


ガタリと派手な音を立てて、加瀬宮が苦しげに呻いた。


「え?加瀬宮くん、どうしたの?!大丈夫?」


女の子達が半身になって色めき立つ。



「気持ちわ、る」



誰かが腰をあげようとするより早く体が動いていた。

倒れこみそうになる加瀬宮の肩を掴み、腕を抱えるようにして抱き起こした。



「吐くか?トイレ連れてく」


口元を抑えて苦しそうに歪む顔が、触れるか触れないかの至近距離にある。


ぞろぞろと付き添って来そうになる部下達をやんわりと断り、騒がしい店の奥まったところにあるトイレに転がり込んだ。

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