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素直になろうよ

第7章 交わる気持ち

やっぱり、今までとは違う。

何かが変なのは分かるのだが、具体的にどこがどうおかしいのか


分からない。



「加瀬宮、お前ずっと俺に腹を立てているのか?」


資料室での一件から、ずっと引っかかっていた事が、ポロリと言葉になってしまった。



「ち、がいますよ。違います。腹なんか・・」

加瀬宮は少し俯いて、次に顔をあげた時には、営業的な笑顔を向けて来た。


こんな、作ったような笑顔。




なんで俺に向ける?



「正直ちょっと立ちました。すみませんでした。でも、もういいです」

「加瀬宮・・」



これ以上踏み込むなと、この作った笑顔が言葉を奪った。

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