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素直になろうよ

第9章 神にも祈ろう

加瀬宮は、こんな人が多い中にあって、とても目立つ。


容姿も男っぽいのに甘い作り。
短髪だが無造作に作り込まれた髪型は今風なのだろう。
身長は180を優に超え、無駄な肉は一切ない引き締まった体をしているのが、服の上からでもわかる。


行き交う女の子達が、すれ違いざま振り向いて二度見している。


俺の加瀬宮フィルター越しに見ると、格好良さ3割増し。



「内海課長も結構ミーハーなんですか?願い事がよく叶うって有名なここに居るってことは」


加瀬宮と並んで参道をゆっくり戻る。


「実家がすぐそこなんだよ。家に帰ってもやることなくて、暇を持て余してた」


自嘲気味に笑ってみた。


「独り身は寂しいもんだ」


なんて言葉も、付け足してみる。
職場とは違う雰囲気が言わせたんだろう。

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