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妄想しながら素直になろうよ

第9章 映画で妄想

わざとジュルジュルと音を立てて、王子自身に吸い付いた。

首をちぎれんばかりに左右に振り、腹筋がみえるほど腹に力が入っている。


「だめっ・・もっ、むっ・・りぃ・・やっ、いっちゃ・・やめ、て・・」


静止の懇願でさえ、ねだるような声色に染まり、本心ではないのが伝わってくる。
もっと、もっと、と腰を擦り付けてくるこの身体は、快感に貪欲だ。


「あああっ!だめっっ!も、いくぅぅっぁぁっ!」



腰を跳ね上げ、全身を硬直させて絶頂を迎えた、はずだった。


「っっっ!なっ、でぇ!やぁぁぁぁっ!ぁぁっ、やぁっ!いけ、なっぁ、うっくぅ・・」


大きく震える中心を口内から解放して、王子にキスを落とした。
腰を大きく突き上げて、何度も何度も放出しようと力を込めるが、自身の先端からは雫一滴すら現れない。


「やぁっ!うっ!ふっん!あぁぁっ・・ぅぅっ・・」


どんな拘束もされてはいないし、栓をされてるわけでもなく。
なのに、天を仰いだ王子の雄は、切なげに震えるばかりで。


出口を求めて、快感の塊が王子の中を駆け回る。
まるでそれは、暴れ狂う猛獣のようであった。


うわ言のように「なんで?」と繰り返す王子に、髪を優しく撫でながら耳元でタネを明かしてあげた。



「アルフォンスの実は、生気を練る為のモノです。王子の身体の中で、生気が強く濃くなるまで外に出す事は出来ないんです。生気が熟すと、とてもいい香りがしてくるのですぐにわかりますよ」


「そ、んな・・っや・・だって・・あぁっ」


身体は今すぐにでも絶頂を求めるのに、この熱を冷ますなんて簡単じゃない。

しかも、アルフォンスの実のおかげで、風が肌を撫でていく感触だけでも妖しい感覚を呼び覚まし、自分の動いた衣擦れでさえ身体を震わせる。

ベッドに転がされてるだけなのに。
ただ優しく見られているだけなのに。
触れられてもいないのに。



絶頂の寸前をキープしたまま、淫らに喘ぐ。

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