妄想しながら素直になろうよ
第2章 コーヒーで妄想
会議室で一人黙々と仕事をしている課長に、コーヒーの差し入れ。
直径の大きめのマグに、ぬるめのコーヒーを注ぐ。
「課長。お疲れ様です。少し休んだらいかがです?」
声を掛けると内海課長は嬉しそうに笑って、ありがとうと言った。
椅子を少し後ろに転がし、軽く伸びをする。
両手を上にあげた時に、胸のラインがシャツ越しに浮かび俺の心臓が少し軋んだ。
「課長、両手を合わせてみてください」
「ん?こう?」
いただきますをする仕草で、俺を見上げる視線がかなりヤバイ。
「で、机の端に、両方の親指だけ乗せてみて下さい」
わけがわからないと言った風に、なすがままの課長。
机にちょこんと乗っかった親指二本。
その上に、俺はそっとマグを乗せた。
「え?何してるんだ?」
親指に乗せたマグは、不安定な揺らめきをみせ、今にも倒れそうだ。
径が大きいから、幾分安定しているだろうが、課長が少しでも動いたらひっくり返るだろう。
「これで良し」
満足げにうなづく俺に、抗議の声が上がる。
「ちょ、これじゃ俺、動けないだろ?」
俺は、悪役の笑い顏を浮かべる。
「正解。課長が少しでも動いたら・・机の上の物、みんなコーヒーで汚れちゃいますから。動かないで下さいね」
直径の大きめのマグに、ぬるめのコーヒーを注ぐ。
「課長。お疲れ様です。少し休んだらいかがです?」
声を掛けると内海課長は嬉しそうに笑って、ありがとうと言った。
椅子を少し後ろに転がし、軽く伸びをする。
両手を上にあげた時に、胸のラインがシャツ越しに浮かび俺の心臓が少し軋んだ。
「課長、両手を合わせてみてください」
「ん?こう?」
いただきますをする仕草で、俺を見上げる視線がかなりヤバイ。
「で、机の端に、両方の親指だけ乗せてみて下さい」
わけがわからないと言った風に、なすがままの課長。
机にちょこんと乗っかった親指二本。
その上に、俺はそっとマグを乗せた。
「え?何してるんだ?」
親指に乗せたマグは、不安定な揺らめきをみせ、今にも倒れそうだ。
径が大きいから、幾分安定しているだろうが、課長が少しでも動いたらひっくり返るだろう。
「これで良し」
満足げにうなづく俺に、抗議の声が上がる。
「ちょ、これじゃ俺、動けないだろ?」
俺は、悪役の笑い顏を浮かべる。
「正解。課長が少しでも動いたら・・机の上の物、みんなコーヒーで汚れちゃいますから。動かないで下さいね」