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妄想しながら素直になろうよ

第8章 ファンタジーで妄想

「おい、加瀬宮。お前今週末暇か?」

どうみても学生にしか見えない内海課長、自称30歳がオフィスの横にあるソファでコーヒーを飲みながら聞いてきた。


「課長のお誘いなら何があっても空けますよ?」


「あ、ん、そうか」

下を向いてしまって、少し赤くなっている。
おいおい、そんな純情な仕草、今時どこの三十路男がするんだっての。
今すぐ食っちまうぞ。


「映画のチケットを2枚貰ったんだ。今話題の奴らしいけど、行くか?」

「行きます。そういや最近映画なんて見てないですね」


「じゃぁ、土曜でいいか」

「はい!」



ってな、流れがあって課長と映画デートする事になった。

その夜から早速デートの下調べを始め、どこのレストランがいいかとか、どこで飲むかとか、その後どうするか・・
なんて、楽しくスケジュールを立てていた。

映画の内容も少し理解しておかないと、せっかく誘って貰ったのに結局ストーリー分からなかったなんて事じゃ、課長が悲しむに違いない。


ネットで検索し始めた。



とある国が妖精の住むと言われている森を焼き払った。

森の奥深くに世界を手に入れる事ができるという、魔法のオーブがあると言われていた。
国王はそのオーブ目当てに森の四方八方から火を放ったのだ。
焼け落ちた森は妖精が一晩で再生させたが、怒りの収まらない妖精はその国の姫を捕らえた。
国王は伝説の勇者と言われる男に姫の救出を頼んだ。
ところが、妖精と姫が恋に落ち二人で協力して勇者をやっつける。



という・・・
何じゃこりゃ。

結局どうなるんだ。

森の妖精ねぇ・・自由に木々を操り勇者を退ける・・かぁ。



ふーん。
俺が妖精で課長が姫だな。

妄想ファンタジーワールド!!

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