
妄想しながら素直になろうよ
第8章 ファンタジーで妄想
「あんた・・ここに何しにきたんです?」
四方八方を焼き払われた森が、無残に広がっている。
森に住んでいた動物たちも、可哀想にその炎で焼き尽くされた。
黒焦げになったウサギだったものを手にぶら下げて、俺は冷ややかに言った。
目の前には、その元凶とも言える内海王国の王子がたっていたのだ。
「加瀬宮・・本当にすまなかった。父を止めることができなかった・・」
目に涙をいっぱいに溜めて、震える声で謝罪を口にする。
内海王国は小さな国ながら、商業の盛んな国で今や軍事にも力を注ぎ国力をどんどんあげていた。
その国王が、森のオーブの噂を聞きつけ、奪い取ろうと攻めてきたのだ。
「あんたが、森のオーブさえあれば世界が手に入る、とでも馬鹿な噂を流したんですか?」
持っていた黒焦げの物を地面に放り投げた。
「違う!そんなことしてない!」
「ここに来る人間なんてあんたくらいですよ。俺を怖がりもせず、唯一心を許せる人間だと・・・思っていたのに」
小さな頃、この森に迷い込んできた子供。
俺を恐れもせず、臆せず物を言う、そのまっすぐな瞳に魅せられた。
喰わずに帰した時から、この人は何度も何度も俺の元にやって来た。
一面焼け野原となってしまった周囲に視線を向ける。
「違う!加瀬宮、信じてくれ。俺は、お前を裏切ったりなんかしてない!」
「オーブなんてただのガラス玉です。何の力もありません。そんな物を奪うために・・・」
炎に焼かれた酷い木の残骸を拾いあげたが、手の中でパラパラと崩れ風にさらわれた。
「すまない・・加瀬宮」
「もういいです。俺に取ってはどっちでも同じ事ですから。人間なんて・・・。あんたも、もう二度とこの森に近づかないで下さい」
煤けた黒い大地になってしまった、かつては森であった場所。
二人が立っているのはその中心の、唯一残った目を見張るほどの大きな一本の大木の下。
「嫌だ・・お前に会えなくなるなんて・・」
俺は大地に跪き、炭になった木の幹に両手を添える。
内海王子はただ涙を零しながら、拳を握りしめていた。
「俺も、あんたの事好きでしたよ。でも、後悔してます。さっさと木々達に喰わせてしまえば良かった」
四方八方を焼き払われた森が、無残に広がっている。
森に住んでいた動物たちも、可哀想にその炎で焼き尽くされた。
黒焦げになったウサギだったものを手にぶら下げて、俺は冷ややかに言った。
目の前には、その元凶とも言える内海王国の王子がたっていたのだ。
「加瀬宮・・本当にすまなかった。父を止めることができなかった・・」
目に涙をいっぱいに溜めて、震える声で謝罪を口にする。
内海王国は小さな国ながら、商業の盛んな国で今や軍事にも力を注ぎ国力をどんどんあげていた。
その国王が、森のオーブの噂を聞きつけ、奪い取ろうと攻めてきたのだ。
「あんたが、森のオーブさえあれば世界が手に入る、とでも馬鹿な噂を流したんですか?」
持っていた黒焦げの物を地面に放り投げた。
「違う!そんなことしてない!」
「ここに来る人間なんてあんたくらいですよ。俺を怖がりもせず、唯一心を許せる人間だと・・・思っていたのに」
小さな頃、この森に迷い込んできた子供。
俺を恐れもせず、臆せず物を言う、そのまっすぐな瞳に魅せられた。
喰わずに帰した時から、この人は何度も何度も俺の元にやって来た。
一面焼け野原となってしまった周囲に視線を向ける。
「違う!加瀬宮、信じてくれ。俺は、お前を裏切ったりなんかしてない!」
「オーブなんてただのガラス玉です。何の力もありません。そんな物を奪うために・・・」
炎に焼かれた酷い木の残骸を拾いあげたが、手の中でパラパラと崩れ風にさらわれた。
「すまない・・加瀬宮」
「もういいです。俺に取ってはどっちでも同じ事ですから。人間なんて・・・。あんたも、もう二度とこの森に近づかないで下さい」
煤けた黒い大地になってしまった、かつては森であった場所。
二人が立っているのはその中心の、唯一残った目を見張るほどの大きな一本の大木の下。
「嫌だ・・お前に会えなくなるなんて・・」
俺は大地に跪き、炭になった木の幹に両手を添える。
内海王子はただ涙を零しながら、拳を握りしめていた。
「俺も、あんたの事好きでしたよ。でも、後悔してます。さっさと木々達に喰わせてしまえば良かった」
