
好きだって?
第4章 再び冷戦
「送っていくよ、家どっち?」
「は?いや、遠慮する…」
「ダメだよ!
夜道一人で帰って襲われたりしたらどうするの⁉︎
周りは危ない人ばっかだよ?」
「いやいや!
襲われたりしねえよ!女じゃあるまいし‼︎
だいたい、今その危ない人が俺の目の前にいるのに
それを家まで連れて行くバカがどこにいるよ!?」
「…んー、それを言われたら言い返す言葉が見つからないけど…
大丈夫、送るだけだよ、同意じゃなければもうあんな事はしないから…」
「……」
「本当に心配だからさ…
ね?送るだけ、いいでしょ?」
「……!」
俺の手をそっと取り、またあの笑顔を向ける…
それを見ると俺は断れなかった。
「…じゃあ、途中までなら…送ってもらうかな…」
「やった!
ありがと、聖也さん♪」
「…ど、道中もなんもすんなよ!」
「わかってるってー♪
さ、家どっち?」
「…あ、あっち」
「よし、行こう♪」
