好きだって?
第4章 再び冷戦
「さーて、なに食うかなぁ?」
あの後、一人でファミレスでランチする気にもなれなくて近くにあるコンビニに立ち寄った。
「サンドウィッチもいいな…
ラーメンもいいな…
ちくしょう…迷うぜ…」
俺は優柔不断だから
こんな時は良く晋に決めて貰ってたな…
「晋…ちゃんと昼食ってっかな?」
「まーた晋君の事考えてるんですか?」
「うわ!!!」
いきなり背後から聞き覚えのある爽やかな声がして
俺は飛び上がった。
「あははっ!
ごめんなさいっ、びっくりしました?
いやー、でもそんなに驚くとはね」
「お、おま、なんでここに⁈」
「もー、鈍いなぁ」
「は?」
「聖也さんに会いたくて、会社の外で
出待ちしてたんですよ」
「サラッと、しかも笑顔でそんな事言うなっ!」
「あはは…ごめんなさいっ」
「んで、後をつけてきたってのかよ」
「はい」
「…またサラッと…」
「でも、晋君と一緒じゃないんですね?」
「……俺に、まだ話せないから…
時間が欲しいんだって」
「……へぇ…珍しいね…
やっぱり本気なんだ…手強いな」
「…なに?」
「いえ、何も!
それより一人だったら俺とランチしません?」
「え?
あ、ああいいけど…」
「…本当に?」
「ああ、なんで?」
「嬉しい!
ちょっとずつ俺を受け入れてくれてる感じがして!」
「え?
いや、別にそんなんじゃ…友達としてだよ!」
「それでも…嬉しいよ、聖也さん…」
郷見は、にっこり爽やかにキメると、
俺の手をとり、キスをした。
「んなっ!
なななにすんだ馬鹿野郎!」
「大丈夫、誰も見てなかったし」
「そんなの関係ない!」
「さ、ランチ行きましょ〜」
「お、おいっ、ちょっとっ!」