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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第3章 美香の話③



ベットで目が覚めると、父と母が部屋にいてアタシに
「病院に行こう」
と言った。
何故病院に行くの?アタシはどこかおかしいの?と、訊いたが何も教えてくれなかった。
ただ、この二人が揃って神妙な顔をして話すのだからアタシは言うことをきくしかなかった。

車で片道1時間半かかる街の大きな総合病院に連れて行かれた。

病院で母が受付をしていたのは精神科だった!

いったいどういうことなのか。アタシはひどく落ち着かない気分になってきた。


ガランとした殺風景な部屋で、胸に何本ものペンをさした白衣を着て、昆虫みたいな顔をした医者は、あれこれと退屈でくだらない質問をしてきた。

アタシの小学生の頃の話。
もっと昔の幼稚園の頃の話。

アタシは何故この人にそんなことを応えないといけないのかと思ったが、早く答えた方がここから帰れると思い答えることにした。

でも小学生の頃のことなんてほとんど何も思い出せなかった。
でもそんなことは特に大事なことではないように思えた。

アタシはそんな昔のことよりついさっきのことが思い出せないことの方がよっぽど心配になっているのだから。


だからアタシはこんな病院に連れてこられてるのではないか?















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