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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第7章 解離②

はじめての診察から1年が過ぎアタシは中3になった。

もう病院行くのは月に数回程度になっていた。
アタシの記憶が飛ぶこともほとんど無くなっていた。アタシの中に他の人がいるなんて全然感じられなかった。

わかっている。
薬のせいだ。

病院はアタシに毎日たくさんの薬を飲ませた。
安定剤。
躁鬱の薬。
その他色々。

睡眠薬は解離を起こしやすくなるから飲まないようにと渡されなかった。
薬を飲みはじめてからは、いつも体が重く、頭がボーとした。
そして薬の切れ目がやってくると泥の中に沈んでいくようにも感じた。
だからまた薬を飲まずにはいられなかった。

時々、自分の体はここにあるのに遠くからこの体を見ている自分がいて、じゃぁ今のアタシはなんだろうかと思えて恐ろしく不安になった。
アタシは分かっていた。
このままではダメだ。何かが間違っている。医者はすごくいい方向に向かっていると言うが、信じられなかった。
もういつから笑ってないのか。怒ってないのか。悲しんでないのか。

何人もの人が中にいると言われてる自分が逆に抜け殻になってしまっているように感じられた。

このままではいけない。このままではいけない。このままではいけない。このままではいけない。このままではいけない。

それはアタシの頭のずっと奥の方からも響いた。
アタシ以外のそこにいる人たちもそう感じているのだ。

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