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~多重人格パートタイムラヴァー・ガール~

第8章 解離③

アタシは考えた。そしてアタシの中の他の人たちにも協力してほしいと心の中で願った。

まず、最初は少々キツくても薬を減らしていく。こっそり捨てるのだ。
そして相変わらずあの医者に会うのは面倒だったが、カウンセリング中は何も問題はないというように落ち着いた態度を振舞う。
あの医者を安心させなくてはいけない。
それは両親の安心にもつながるはずだった。

そしてアタシは進学に向けて勉強をはじめた。中学はほとんど学校には行って無かったが、テストの点数は悪くなかった。
いや、悪くないどころか、本当はトップの成績を残せるほどだったが、
アタシは目立ちたくなかったからわざと平均以上トップ下の成績になるようにしていた。
アタシは記憶力がいいのだ。
今は薬の影響がまだあって集中力が足りないがそれでも受験には問題ないはずだった。
進学高校を受かれば、そこから大学進学への道が見えてくる。

そしてアタシはこの田舎の村を出ていくのだ。
アタシの中の他の人たちとどう付き合っていくのかはそれから考えればいいじゃないか。

一つの体に何人かいる方が

一つの体にゼロ人よりずっといいに決まっている。

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