テキストサイズ

びりっかすの神さま

第1章 透き通った小さな男

転入の手続きを終えて、廊下に出たお母さんは、始(はじめ)の目をのぞき込んだ。

「もちろん、一人で帰れるわね。」

始はうなずいた。

「じゃ……」
お母さんはうなずき返してから、先生に頭を下げた。
「それでは、これで失礼しますが、宜しくお願いします。」

今日から始の担任になる市田先生も、お辞儀した。
「こちらこそ、宜しくお願いします。」

銀行の人みたいだ、と始は思った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ