びりっかすの神さま
第1章 透き通った小さな男
くすぶっていた笑い声が、はじけた。何が可笑しいのか分からない。始は、後ろの端っこの席まであるく自分の足が、床についていないような気がした。席に着いたとたん、透き通った男の姿がまた見えた。
教室前に、黒板を明るくする蛍光灯が二本、天井からぶらさがっている。その右側の蛍光灯の端に、男は腰掛けていた。よそを見るふりをしながら、横目で、始の方を伺っている。
胸がドキドキし始めた。他の誰もその男の方を見ていない。見えないらしい。なぜ自分には見えるのか。何か病気で、幻を見ているのだろうか。病気ー?
教室前に、黒板を明るくする蛍光灯が二本、天井からぶらさがっている。その右側の蛍光灯の端に、男は腰掛けていた。よそを見るふりをしながら、横目で、始の方を伺っている。
胸がドキドキし始めた。他の誰もその男の方を見ていない。見えないらしい。なぜ自分には見えるのか。何か病気で、幻を見ているのだろうか。病気ー?