禁断の恋は寮の中でー
第5章 龍舞と克樹
『ガチャ』
と
扉が開く頃には……
「あれ、ハルいんじゃん
返事しろよー。」
「あ、う、うん
ごめん……」
部屋には俺はいない存在だ。
『ガチャ』
二回目の
扉の音だ。
今度は扉を閉める音。
布団の中でも
はっきりとわかる。
「つかさー、
寮の中誰も
いねーんだよ!
どこ
ほっつき歩いてんだか」
「きっと部活の大会が
みんな近いから
部活に専念してるんだ」
「はぁ。
俺たちの夢は
決まってるっつーのに
なんで部活なんてしてんだよ」
克樹はきつもの
口調で
愚痴をこぼす。
「みんなのことより、
克樹は自分のこと
ちゃんと考えろよなぁー!
昨日のテストも
白紙だったんだろ?」
「っるせーなぁ!」
克樹は俺の存在に
全く気づいていない様。
ハルもハルで
さすがだ。
本心は焦りに焦ってる
くせして
顔には出していないのだろう。