ノンケのごとく♂
第1章 体育館の中心でゲイ♂をさけぶ
悠『僕たちは、この学園に入学できたことを誇りに思っています』
壇上の彼は、美しい。端正な顔立ち。透き通るような肌。短めのストレートヘアでいて前髪は少し長く、睫毛にかかった髪の合間からクリっとした大きな瞳を覗かせている。
悠『校訓に則った、規則正しい学園生活を贈ることを誓いたいと思います』
少し声が高く、少し小柄な彼。しかし採寸を間違えたのか、身体のサイズより一回りも大きい学ランを着ていた。ぶかぶかの松崎しげる色を纏っていて尚栄える、真っ白い頬。正しくおどろきの白さ。
悠『新入生計216名に代わって、この旨を伝えます』
そして芯の通った真っ直ぐな姿勢で体育館中に熱弁を振るう。その姿、何処か他の男児とは違う凛々しさがあった。
陽彦「………………」
おれは暫し時間を忘れて、彼に見入ってしまう。