
永遠(トワ)に愛す
第2章 …暗黙の掟…
朝食を済ませた後…
学校の制服に着替えたりんは、食器洗いから始まり‥屋敷内を掃除した。
気づけば窓から夕日が差し込んでいて‥自分の部屋を掃除していたりんは、時計がないかキョロキョロした―――
今何時だろう…
時計見当たらないし そういえば‥ここに来 てから時計って物を見 てないような…
体内時計で動いてるの かな?
「掃除していたんですか ?」
突然聞こえてきた澄んだ声に、驚いてドアの方に視線を走らせると…
白いスーツに身を包んだシンが、開いていたドアの前に立っていた。
「シンさんっ…
あの…響夜は…?」
「少し予定より遅くなる ので
りん様の様子を見て来 るよう言われまして… 」
「そう‥ですか…」
遅くなるんだぁ‥‥
「りん様
少し入っても宜しいで すか?」
「あっ‥はい」
あっ…
不意にキスされたことを思い出したが、すでにシンは目の前にいた。
「失礼ですが
響夜様としましたか? 」
「えっ!?」
したってっ…
エッチのことだよねっ ?
なんでいきなりそんな ことっ
「そうですか…
してしまったんですね 」
悟ったようにため息混じりに言うと、真剣な面持ちでまた口を開いた――
「我々ヴァンパイアには 暗黙の掟があります
人間に特別な感情を抱 かない
まして‥交わるまども ってのほかなのです」
「えっ…じゃあ‥‥」
響夜としたことは―― ‥‥
「掟を破ったことになる でしょう
響夜様は次期長となる 方‥‥
重い罪は避けられない と思います
バレたら‥の話しです が‥‥
その事を頭に入れてお いて下さい」
「あ…はい‥‥」
「話しは以上です
…夕食はお済みですか ?」
「いえ…」
「では‥私が用意いたし ます」
優しく微笑み‥紳士的にそう言うと、足早に部屋を出て行った。
