
永遠(トワ)に愛す
第2章 …暗黙の掟…
掟なんて…そんなこと 響夜は一言も‥‥
隠し事なんて‥いつか 絶対にバレる‥‥
その時は…響夜はどう なるのっ!?
…怖い…
響夜っ…早く帰ってき てっ‥‥
日もすっかり暮れた頃…食堂では、暗い顔をしたりんが椅子に座っていた。
テーブルにはチャーハンが置いてあり、美味しそうな匂いが漂っていた。
「こんな物しか作れませ んでしたが…
どうぞ召し上がって下 さい」
「ありがとうございます いただきます」
横で立ち尽くすシンさんの視線に緊張しながら、チャーハンをすくったスプーンに口をつけた‥‥
ん?
味がしない…
「味はどうですか?」
「そっ‥そうですね…
素材の味がします… 」
「味がしないという事で すね?」
「え…まぁ…はい‥‥ 」
「すみません
すぐに作り直します」
「いっいえっ大丈夫です せっかくシンさんが作 ってくれたから食べま す」
そう笑顔で言うと、黙々とチャーハンを口へ運んだ。
その姿を、シンは観察するようにジッと見つめた‥‥
「それでは…
私は響夜様の所へ戻り ます」
「あっ‥シンさんっ
ご飯作ってくれてあり がとうございます!」
「いえ…」
スプーンを片手に満面の笑みを向けるりんに、シンの表情が一瞬緩んだように見えた‥‥
軽く頭を下げ‥シンは足早に食堂を出て行った。
