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永遠(トワ)に愛す

第3章 …運命(サダメ)…

 
深夜2時を回った頃…
部屋のドアから恐る恐る顔を覗かせる、りんの姿があった。
 
 
 
 誰もいないよね…?
 もう我慢できないっ 
 
 
誰もいないことを確認すると、勢い良く部屋を飛び出した―――
 
 
その後何事もなくトイレから出てきたりんは、静まり返った屋敷内を歩いていた‥‥
 
 
 
 パーティー‥終わった のかな?
 響夜‥部屋で待ってた りして♪
 
 
 
思わず笑みがこぼれる中‥遠くから、部屋に入って行く響夜と超美人な女の人の姿が目に入った。 
 
 
 えっ…
 
 
「りん様」
 
 
 
突然背後から聞き覚えのある声がして、驚いたように振り返った―――
 
 
 
「あ…シンさんっ」
 
「まだ起きていたんです か?
 そろそろお休みになっ た方が…」
 
「はっはい…今部屋に‥ ‥‥」
 
「2人が‥部屋に入って 行くのを見たんですか ?」
 
「えっ‥‥‥はい‥‥」 
 
 
悲しげに俯くりんに、シンはまた口を開いた―― 
 
 
「響夜様には婚約者がい ます
 先程‥一緒に部屋に入 って行った女性です」 
 
 っ!?
 婚約者…!?
 
 
「響夜様が長となった後 式を挙げる予定です」 
「…じゃあ…なんで‥わ たしと‥‥」
 
「私達は永い時間(トキ)を生きています
 響夜様は
 何か変化が欲しかった のだと思います」
 
「…変化‥‥?」
 
「そう…
 私達は‥刺激のない世 界に飽き飽きしている ので‥‥」
 
「‥‥部屋に戻ります… 」
 今までのは‥暇つぶし の遊びだったってこと …?
 
 そうだよね…
 響達はヴァンパイアで わたしは人間‥‥
 最初から釣り合わない 関係‥‥
 
 
「おやすみなさい」
 
 
 
気が抜けたように歩き出したりんの姿を、シンは観察するようにジッと見つめた………
 
 
 
 
 

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