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永遠(トワ)に愛す

第5章 …命を狙う者・守る者…

 
 
 
「2人が戻って来るまで にさっさと始末するぞ っ」
 
「手っ取り早く手分けし て探そうぜ」
 
 
 
  
 なにを探してるのっ… 怖いっ
 響夜っ‥シンさんっ  早く帰ってきてっ!! 
 
 
 
「ほんとにこの屋敷にい るのか?」
 
「ああ
 間違ってなければな」 
 
 
徐々に近づいて来る複数の声に、恐怖で体が小刻みに震えだした。
その時…
ガンッッガンッッと、りんのいる部屋のドアを蹴り破ろうとする音が響き‥緊張と恐怖が一気に高まった。
 
 
 
「おいっ
 このドアだけ頑丈で開 かないぞっ」
 
 
 
ガンッッバンッッと音は強くなり、ドアがミシッと音をたてた後‥勢いよくドアが吹っ飛んでいった―――
 
 
 
 っ!?
 
 
 
「やっと見つけた」
 
「って‥こいつ人間っ! ?」
 
 
 
10代くらいの若い男のヴァンパイア4人は、驚いた様子でりんを見つめた。
 
 
 
 探してたのって…わた しっ!?
 なんで…!?
 
 
「この屋敷にいた女はこ いつだけだし…
 命令通り始末するぞ」 
 
 命令ってっ…
 
 
「じゃあ‥こいつの血分 けようぜ」
 
 
 響夜っ‥助けてっ!! 
 
 
ニヤニヤしながら近づいて来るヴァンパイア達に、りんは体を硬直させ固く目を閉じた瞬間…
 
ドタバタと‥なにか倒れるような音が聞こえ、恐る恐る目を開けると…
男3人が床に倒れていて、急に響夜の整い過ぎた顔がアップで入ってきた―――
 
 
 
「怪我はないかっ?」
 
「響‥夜‥‥
 …だ‥大丈夫…」
 
「怖い思いをさせてすま なかったっ…」
 
 
 
力強く抱き締められ‥緊張の糸が切れたように、りんの目から涙が溢れた…
 
 
 
「‥‥ぐすっ…怖かった ‥‥」
 
「響夜様っ
 申し訳ありません
 先程逃げた男‥見失っ てしまいました…」
 
 
 
シンが、少し息を切らせて部屋に姿を現し‥抱き合っていた2人を見て一瞬目つきが変わった。
 
 
 
「そうか…
 …面倒なことになった な‥‥」
 
 
 
 
 

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