
永遠(トワ)に愛す
第5章 …命を狙う者・守る者…
翌朝…
響夜に抱き締められたままベッドの中にいる、りんの姿があった。
あまり眠れなかった…
婚約者の麗華さんから したら
わたしは邪魔なんだよ ね…
…なんか‥浮気相手に なった気分‥‥
そうなんだけど…
「朝から悩み事か?」
「あ‥おっおはようっ 」
「なにを悩んでたんだ? 」
「…麗華さんって人に悪 いと思って…
わたしが同じ立場だっ たらって思うと
胸が苦しくて悲しい… 」
「麗華には悪いと思って る
愛してやれないうえに お前という大切な存在 がいて…
本当は‥婚約を取りや めて自由にしてやりた いんだが
俺の父がそれを許さな いだろう…」
「お父さんって…
今の長?だよね?」
「ああ
俺が継いだ後もある程 度の決定権はあるだろ う
父が死ぬまで‥麗華も 俺もこの関係を続ける しかない…
もし…背けば死を迎え ることになる」
「えっ…」
「安心しろ
お前を残して死ぬつも りはない
どんな事をしても‥こ の幸せな時間を守って みせる」
「響夜…」
互いに愛おしむように見つめ合い‥ゆっくりと唇が重なった‥‥
ごめんなさい麗華さん …
響夜が好きって気持ち 抑えることができない です‥‥
「響夜様
麗華様から電話です」
ノック音の後、ドア越しからシンの声が聞こえ‥響夜はりんから離れた。
「今行く」
どんな話しかな…
「心配するな
すぐ戻る…」
そう優しく微笑むと‥乱れた服を整えながら部屋を出て行った。
書斎…
受話器を手にした響夜は、シンが見守る中口を開いた―――
「なんだ」
『今日の夕方に行っても いいかしら
大事な話しがあるの』
「わかった
4時に待ってる」
冷たくそう言ってすぐ、響夜は受話器を置いた。
「シン
夕方からりんの警護を してくれ」
「わかりました」
