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永遠(トワ)に愛す

第5章 …命を狙う者・守る者…

 
 
 
その頃食堂では…
浮かない顔をするりんに、キッチンから来たシンが近づいてきた。
 
 
 
「片付けが終わったので 部屋まで送りましょう か?」
 
「えっ?あっ‥はいっ 」
 
「では行きましょう」
 
 
 
手を差し伸べるシンに、りんは遠慮がちにその手を取った――――
 
 
 
 
 
シンの後を追うように階段を上り、部屋が並ぶ廊下を歩いて行くと‥一室の部屋の前に差し掛かると―――
 
 
 
「あっ…あぁっ…!
 …響夜っ‥‥」
 
 
 
 っ!?えっ…
 
 
 
ドア越しから聞こえてきた声に、りんは思わず固まってしまった。
 
 
 
「りん様‥大丈夫ですか ?」
 
「あ…はい‥‥」
 
 
 
放心状態のりんは‥シンに誘導されながら、また歩き出した。
 
 
そして、その部屋の中では…
スタイルのいい麗華の上に覆い被さる、服を着たままの響夜…
 
 
 
「響夜っ…早く‥あなた が欲しいわっ」
 
「‥‥麗華…
 俺がするのはここまで だ…」
 
 
 
そう冷たく言うと‥麗華から離れ、ドアの方に行ってしまった。
 
 
 
「なんで抱いてくれない のっ!?」
 
「お前じゃ駄目だ
 りんじゃないと‥なに も感じない
 …すまないな」
 
 
 
悲しそうに見つめる麗華を残し‥響夜は部屋を出て行ってしまった。
 
 
 
 お情けでも抱いてもら えないなんて…
 
 あんな‥人間の女に取 られるくらいならっ… 
 
 
嫉妬と怒りに満ちた眼差しで‥血が滲むくらいシーツを握りしめた‥‥
 
 
 
 
 

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