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永遠(トワ)に愛す

第5章 …命を狙う者・守る者…

 
自由に動けなくなるまで血を抜かれると‥手が離された瞬間、りんの体はドサッと地面に崩れ落ちた―――
 
 
 
「クスッ
 なかなか美味しかった わ」
 
「…もう…やめて下さい わたしを殺しても…な にも変わらない‥‥」 
「うるさいっっ!!」
 
 
 
怒りに任せ‥麗華の鋭い手先がりんの腹を貫き、口の端から血が流れ出た―――
 
 
 
 っっ!?!?
 
 
「あなたを殺せばっ
 響夜は私だけのものっ !!
 だからっ早く消えてっ っ!!!」
 
 
 
血にまみれた手先が、もう一度振り下ろされようとした時…
麗華の体が一瞬でバラバラになり、肉片が転がった。
 
 
 
「りんっっ!!」
 
 
 響‥夜‥‥
 
 
 
真っ青な顔で、血まみれで倒れているりんを見つめる響夜…
 
 
 
「りん様は無事ですかっ !?」
 
「一応‥まだ息はあるが この傷と出血では一分 も保たない…」
 
「りん様っっ
 しっかりして下さいっ !!」
 
 
 シン‥さん…
 …わたし…もう――― ‥‥‥‥ 
 
 
 
りんは意識を失い、響夜とシンから血の気が失せていった。
 
その時‥響夜はなにか思いついたように自分の手首を咬み、流れ出た血をりんの腹の傷へ落とした―――
 
 
 
「響夜様っ‥なにを―― 」
 
「俺達の血は治癒力が高 い
 これは賭だ」
 
 
 
少しして傷は見る見るうちに塞がっていき‥血の気のなかった顔から微かに赤みが戻ってきた…
 
 
 
「早くりんを屋敷に連れ て行くぞ」
 
「はいっ」
 
 
 
 
 

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