
永遠(トワ)に愛す
第6章 …ヴァンパイアの王…
昼時の食堂…
シンプルな白いワンピース姿のりんが椅子に座っている前に、響夜は一人用の土鍋を置いた。
中にはカニ雑炊が入っていて、食欲をそそるいい匂いが漂っていた。
「おいしそ~~うっ!」
「急に普通の食事は良く ないと思って消化のい い物にしてみた」
「ありがとうっ
いただきます♪」
「俺がやる」
「あ…」
りんからレンゲを取り上げると、すくった雑炊を冷まし‥ゆっくり口に近づけた‥‥
「おいしいっ!」
「そうか…」
満面の笑顔を浮かべるりんを、響夜は浮かない顔をしながら見つめた‥‥
「響夜?」
「なんでもない
思ったよりも元気そう でよかった」
「わたしも自分でびっく りしてる!
あの時は…
このまま死ぬんだ‥っ て思ってたし‥‥」
「俺が絶対にそうさせな い
お前を失うなんて‥考 えられない…」
「響夜‥‥」
高鳴る鼓動と熱い眼差しで‥2人は静かに見つめ合った‥‥‥
