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永遠(トワ)に愛す

第1章 …初恋の人…

 
りんはその姿を目で見送ると‥気が抜けたように、力なくベッドに倒れ込んだ。
 
 
 
 色々なことがあり過ぎ て…
 頭が追いついていけな い‥‥
 
 …わたしの‥ファース トキス‥‥
 しかも‥その少し先ま でっ‥‥
 好きな人にされて…嬉 しいのに…
 
 …響夜がヴァンパイア ってことに‥動揺して る自分がいる―――‥ ‥‥
 
 
 
 
 
 
制服を整えたりんは…
広々とした食堂で、30人は座れる縦長の黒い硝子製のテーブルに座っていた。
 
 
 
 広すぎて圧倒されちゃ うなぁ…
 
 
「待たせたな」
 
 
 
キッチンから姿を現した響夜は、持っていた銀トレーをりんの前に置いた。
トレーの上には、サラダ・トマトスープ・丸いパンが乗せられていて、焼きたてのパンの香りがしていた。
 
 
 
「わぁーーっおいしそう っ!
 これ‥響夜が作ったの ?」
 
「ああ
 パンも生地から作った 」
 
「えっ!?」
 
「冷めないうちに食べろ 」
 
「うんっ
 いただきますっ!」
 
 
 
相当お腹が空いてたのか‥黙々と朝食を頬張り、あっという間にたいらげてしまった。
 
タイミング良くキッチンからまた戻ってきた響夜は、テーブルの上にシャンパングラスを置いた―――
中には紫色のゼリーが入っていて、皮のついた巨峰が一つ乗っていた。
 
 
 
「ぶどうゼリー?
 すごくおいしそうっ! 」
 
「味はどうだった?」
 
「全部おいしかったよ! プロの料理人みたい」 
「口に合ったみたいで安 心した
 このゼリーも‥口に合 えばいいが…」
 
 
 
りんの隣に座った響夜は、グラスの横に置いてあったスプーンを手にしてすくうと‥それをりんの口に近づけた―――
 
 
 
 
 

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