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永遠(トワ)に愛す

第6章 …ヴァンパイアの王…

 
 
 
 っ!?
 
 
「やはりな
 私の読みは正しかった ようだ
 お前までその人間に心 奪われおってっ
 連れて行けっ!」
 
 
 
側近達はシンの両腕を掴み、部屋の外へ連れて行ってしまった。
 
 
 
「シンさんっ!!
 シンさんをどうするん ですかっ!?」
 
「監禁しておくだけだ
 お前が死ねば全て元通 りになるだろう」
 
「雪さんの時みたくです かっ!?
 シンさんから聞きまし たっ」
 
「余計な事を…
 明日‥響夜の前でお前 を始末する
 私の手でな…」
 
 
 
そう冷たく言い放つと、榎奈目は颯爽と部屋を出て行った。
鍵が掛けられている音を聞きながら、りんは力なく床に座り込み‥目から涙が溢れ出ていた‥‥
 
 
 
 …響夜っ…シンさんっ ‥‥‥
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
その翌日…
 
深夜を回った頃‥榎奈目の後ろを、側近達に囲まれながら歩いていたりんの姿があった。
 
地下へ続く階段を下りた先に牢獄があり、その光景を目にしたりんは思わず言葉を失った。
 
牢獄には、壁に張り付けられ身動きが取れなくなった響夜の姿があり…
全身血に染まり、力なくグッタリとしていた。
 
 
 
「ひどいっ…
 なんで‥こんなことっ ‥‥」
 
「動けなくなるまで血を 抜いただけだ
 この程度で死にはしな い」
 
「だからって…」
 
 
「‥‥りん‥‥」
 
 
 
微かな意識の中‥響夜はりんに視線を向けた‥‥ 
 
 
「響夜っっ」
 
「響夜
 人間の女を愛したらど うなるのか
 その目によく焼き付け ておけ」
 
 
 
そう冷たく言い放つと、榎奈目はりんの首を掴み上げた―――
 
 
 
「くっ‥苦しっ‥‥」
 
 
「りんっっ…!!くっ‥ ‥‥」
 
 
 
手枷を引きちぎろうと両腕に力を込める響夜だったが、激しい目眩に襲われ苦しそうに顔を歪めた。
 
 
 
「響…夜‥‥」
 
「せめて‥苦しまないよ うに一瞬で殺してやろ う」
 
 
 
 
 

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