
気が狂いそうな快感の後に
第4章 マフィアと海に遊びに行こう
「え…」
私は硬直した。
あいつだけじゃあねぇんだぜ?
…一人ではなく、複数ということ。
狙ってんのは、
…命を狙われてる、つまり、殺そうとしている、ということ…!
「…私、まだ死にたくない…!」
「はあ?」
「何よ、あんたたち、虫の良いことばっか言ってて、本心はそれだったのね!!」
「いやいや、そういう本心持ってんのは現時点では二人だけで」
「そんなこと言って、全員で殺るつもりなんでしょ!!」
「え!?流石に全員でヤるつもりはねえよ…ってかおめえ、何か変な勘違いしてねえ?」
「……?」
「お前を狙ってるっていうのは、別に命をとかじゃねえ。分かりやすく言うとな」
翡翠が私に顔をさらに近づけてきた。
長い睫毛が突き刺さりそうだ。
不意に体を抱きすくめられた。
思わず悲鳴が漏れそうになる私の唇に、軽く彼の唇が押し付けられた。
海水で濡れた少し硬い唇。
すぐに唇は離れた、というか私が渾身の力を込めて押し返した。
「何すんのよ!!」
「おいおい、つれねえなあ…」
「話しかけないで」
私はくるりと背を向けて物凄い勢いで泳ぎ去った。
たぶん顔は羞恥で真っ赤だ。
こんなことされたのなんて初めてだし、こんな混乱した感情も初めてだ。
嫌なはずなのに、あんな色男きらいなはずなのに、胸の高鳴りが押さえられない。
海のなか、一人残された俺―翡翠ー。
どうやらあいつ―茜―は、相当男慣れしていないらしい。少し天然も入っているようだし。
俺のあれで落ちなかった女などいない位なのに。
まあでも。
「それぐらいの方が面白いじゃあねぇか」
俺は一人ほくそえんだ。
私は硬直した。
あいつだけじゃあねぇんだぜ?
…一人ではなく、複数ということ。
狙ってんのは、
…命を狙われてる、つまり、殺そうとしている、ということ…!
「…私、まだ死にたくない…!」
「はあ?」
「何よ、あんたたち、虫の良いことばっか言ってて、本心はそれだったのね!!」
「いやいや、そういう本心持ってんのは現時点では二人だけで」
「そんなこと言って、全員で殺るつもりなんでしょ!!」
「え!?流石に全員でヤるつもりはねえよ…ってかおめえ、何か変な勘違いしてねえ?」
「……?」
「お前を狙ってるっていうのは、別に命をとかじゃねえ。分かりやすく言うとな」
翡翠が私に顔をさらに近づけてきた。
長い睫毛が突き刺さりそうだ。
不意に体を抱きすくめられた。
思わず悲鳴が漏れそうになる私の唇に、軽く彼の唇が押し付けられた。
海水で濡れた少し硬い唇。
すぐに唇は離れた、というか私が渾身の力を込めて押し返した。
「何すんのよ!!」
「おいおい、つれねえなあ…」
「話しかけないで」
私はくるりと背を向けて物凄い勢いで泳ぎ去った。
たぶん顔は羞恥で真っ赤だ。
こんなことされたのなんて初めてだし、こんな混乱した感情も初めてだ。
嫌なはずなのに、あんな色男きらいなはずなのに、胸の高鳴りが押さえられない。
海のなか、一人残された俺―翡翠ー。
どうやらあいつ―茜―は、相当男慣れしていないらしい。少し天然も入っているようだし。
俺のあれで落ちなかった女などいない位なのに。
まあでも。
「それぐらいの方が面白いじゃあねぇか」
俺は一人ほくそえんだ。
