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プリンセスを護衛

第8章 3号館の学部

大地も優馬も走るのは速かったが、相手はもっと速かった。あっというまに逃げられた。

「ハアッ、ハアッ。あいつが犯人?」

「ハアッ、ハアッ。多分な。」

「じゃあ、法学部?」

「かもね。」

元の教室に戻った2人は真中の方の席に座りこんだ。

「優馬さん。」

「うん?」

「優馬さんはもう調べない方が…。」

「何で?」

「だってあれ。」

大地がホワイトボードに目を向ける。

「…。ただの脅しだろ。大丈夫だって。」

「そうじゃない可能性も考えてください。」

「とりあえずさ、大地は泉さんのことお願い。」

大地は頷いた。そしてすぐ後にこうつぶやいた。

「優馬さんはもっと自分のことを大事にしてください。」

しかしこの呟きは優馬には聞こえなかった。

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