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プリンセスを護衛

第52章 サイドストーリー 紅葉の栞

優はクスリと笑った。

(なんだか映画やドラマでありそうな光景ね。)

しかし同時にこうも思った。

(でもドラマや映画ならこの後、片思いの男の子が話しかけてくるのよね。)

「優?何してるんだ?」

いきなり上から低い声がして驚いて顔を上げた。
兄の成瀬俊だった。

「なんだ、兄さんか。」

「『なんだ』って何だよ!」

優は膝の上で本を閉じた。
俊が優の本に目を走らせ笑った。

「風流だな。」

「???」

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