無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

ある夜。

トンッ

優馬は肩を軽くたたかれた。

「っ！」

優馬は跳ね起きた。
悲鳴を上げそうになった。
そこには青白く、肩にかかるくらいの長さの黒髪の女の子が居たからだ。一瞬、幽霊かと思った。
女の子は何か言いたげに口を開きかけたがすぐにクルッと背を向けて部屋を出て行った。優馬は後を追ったが見失ってしまった。
部屋に帰り、俊を起こした。

「成瀬、成瀬っ！」

「何だよ。夜中に。」

「美亜って子、一人暮らしじゃない。」

「は？美亜ちゃんは一人暮らしって言ってただろ。」

「そう言ってたけどもう1人居たんだ。」

「見間違いだろ。」

（いや、見間違いのはずがない。おかしなことがあり過ぎる。ベッドにしたってそうだ。なんで一人暮らしなのに僕と成瀬の分があるんだ？）