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君と出会って世界が変わったー。

第4章 大切な人

「綾は小さい頃から心臓が悪くて…」


裕罹は生に綾のことを話し始めた。


「学校にもほとんどいけてないの。年は私と同じ…つまり水速君とも同い年で、高校には通っていない。

綾のお父さんは、あの病院の院長で私も良くお世話になってる…。

綾は昔お父さんのような医者になりたいという夢を持っていたのだけれど、自分がいつ倒れるかわからない状態で医者になれるはずもなく…
それでも綾はお父さんのようになりたくて。
そしたら私の事も、どうにかなるんじゃないかって…

医者はダメでも、何か医療関係の仕事につきたい。

って綾が言うから…。

だから代わりに私が高校に通って綾に勉強を教えているの。」


「そっか。あいつもあいつなりに色々と考えてるわけか。」


先程の態度からは感じられない綾の心情に、

生は感心していた。

「ねぇ、裕罹ちゃん。」

生が突然真面目な顔をして裕罹に質問してきた。

「何?」

「裕罹ちゃんは、あいつの事好きなの?」

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