君と出会って世界が変わったー。
第6章 本当の友達
カシャン と音がして、
水速くんは愛歌ちゃんを抱きかかえたまま、
安野さんの方に顔を向けた。
そして、みるみる青ざめていく…
「いーくんがその子を選ぶなら、
私はもう……
いらないんだよねー。」
フェンスの外へ出て、
一歩一歩
確実に
下が見える絶壁へと近づく安野さん。
「美羽!…や、めろ…!!そんなことしたってお前は…!何も…何も変わらないんだぞ…?」
水速くんは安野さんを見て震えている。
私も背筋がぞくりとした。
まさか…
まさか……!!
そして、彼女は
更に私たちを
苦しめたー。
「ごめんね?いーくん……」
彼女は
今までに見たこともないような
穏やかな表情で、
その場から消えたー。