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君と出会って世界が変わったー。

第5章 妬みと友達

「りょ…綾…なん…で…?」

裕罹はパニックを起こし、まともに話せていなかった。

「なんでも何も…まさか気づいてないわけ?俺がお前、裕罹を好きだってこと!」


綾がそう言うと、裕罹はますます身体が火照っていった。



確かに好きとは言ったけれども…

綾が言う好きと自分が言う好きの意味は、

何故か違うような気がした。

勿論、綾はそんなことは知っているのだが…

少し意地悪して見たくなった。



「裕罹もさ…俺のこと、好きなんでしょ?」

そう言うと、綾の顔が裕罹の顔にどんどん近づいてきた。



そして耳元で、

「ねぇ、どうなの?」


と囁いた。

裕罹はこの場に居たくなくなっていた。

「か…帰る!!!」

そう言うと顔を真っ赤にした裕罹は、

カバンを急いで持ち勢いよく病室を飛び出した。



「あー、やっぱ可愛いな…裕罹。」

病室に残された綾は髪を掻き上げ、少し頬を赤らめながら言った。


「俺、振られんのかなー?まぁどんな形であれ、裕罹が隣で笑っててくれりゃあ、何もいらないんだけどさ。」


そう呟くと、窓の外に走って帰る裕罹を見つけて、

裕罹には聞こえることのない小さな声で言った。


「お前が誰よりも好きだよ、裕罹。」


届きそうで届かない…

その言葉には、少しだけ寂しさも混じっていた…

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