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君と出会って世界が変わったー。

第5章 妬みと友達

放課後。

裕罹は綾のお見舞いに行こうと思い、

病院に足を運んだ。





「よぉ裕罹。…今日はあいつ一緒じゃないんだ。」

「うん。用があるらしくて…」

「そっか。…居なくて清々するわ。」


病室で二人きりになるのは久しぶりのことだった。


「裕罹はさ。あいつのこと、好き?」


こんな質問は生にも聞かれたな、と思いながら裕罹は答えた。

「正直いうとよくわかんない。ただ前みたいな抵抗はなくなってきてる気がする…」

そんことを言う裕罹の顔に微笑が浮かんでるのを見て、

綾は胸が苦しくなった。


「そっか…じゃあさ。俺は?」

「綾?綾のことは大好きだよ?」

満面の笑みを浮かべているが、

先ほどの微笑の方が嬉しそうに見えてしまう。

綾には、何となくそれが許せなくて…


「なぁ裕罹。……キス、してもいい?」


「え…」

裕罹が驚いていた。

そんな時に綾は


「まぁ、答えは聞いてないんだけどさ。勝手にするし。」


と言い、チュっと音を立てて裕罹に軽いキスをした。


「っ…!!」

裕罹は始めてのことに戸惑いを感じていた。



そしてそんな裕罹をみて、

綾は怪しい笑みを浮かべ、優越感を得ていた…

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