
この手を離さないで
第5章 第五章 会いたい
だからこそ、明日もう一度何渚に会って自分の気持ちを確かめよう
後のことはその時考えればいいや。
パンを食べ終えて煙草を吸っていると、見慣れたヤツが俺の方に向かって来た。
「俊さん!いや、今は尚人さんですね。
また来てたんですか?」
『陽…。
お前がここに来るなんて珍しいじゃねーか
つか、その前にその敬語やめろ
今は仕事じゃないんだから
幼なじみ相手に敬語は変だろ?』
「悪い尚人。
どーも最近だと仕事の癖が抜けないんだよ」
そう言って陽は苦笑いを浮かべた。
